2月28日のオフ

*今日のメディア逍遥
宮沢賢治「グスコーブドリの伝記
「生徒諸君に寄せる」詩碑

秋田魁新報のコラム欄北斗星(2011年12月18日付け)(今は、Web 上に存在しない)に、宮沢賢治の「グスコーブドリの伝記」でのブドリの活躍と福島原発事故を絡めて、

▼政府は福島原発事故の収束を宣言したが、避難者の帰還のめども立たないのに何が収束かという不信の声が渦巻いている。人類史に残る過酷事故である。その対応には、ブドリのような献身さがほしい。

と書く。でも、それはちょっと違うんじゃあないかな。ブドリのそれは決して単なる「滅私奉公的な献身」じゃないはずだ。
若い頃見た東京演劇アンサンブルの「グスコーブドリの伝記」は忘れられない芝居の一つである。ラストシーンで、

ブドリは英雄になった。しかし、なぜ英雄が必要だったのか、それは私たちの問題である。ああ諸君よ諸君…

と自らを犠牲にしてイーハトーヴの農民を救うために火口に飛び込んでいったブドリを悼み、クーボー大博士は、こう問いかける。そして、たしか、劇冒頭にも出てきた気宇壮大な彼の詩で私も大好きな「生徒諸君に寄せる」の一節を引用するのだった。

賢治は「グスコーブドリの伝記」の結末では、ブドリが「一人島に残」った事しか書いていない。現代に通じる芝居としてどう成り立たせるか、脚本兼演出家の広渡常敏氏の手腕がさえた結末だと記憶している。

「英雄の必要な時代は不幸である。」とは確かエンゲルスの言葉である。


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