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井上ひさしが残してくれたこと

こまつ座旗揚げ公演ポスター

あれは、もういつのことだったか、東京に何か用事で出張に行っていた時だろう、新宿の街を当てもなくぶらついていると、芝居の切符を差し出す男の人に出会った。なにしろ「おのぼりさん」故、最初は、押し売りかと警戒したが、「都合で観られなくなり、遠慮なく使ってください」との親切さが伝わってきたので、遠慮なくいただいた。会場に行くと、「もぎり」(芝居で切符切りのこと)の女性がずらっと立っている。パンフ売りや案内係りも女の人ばかりだった。しかも、テレビかどこかで見たような方が近づいてきて、「井上です。ようこそお越しいただきありがとうございます。」と握手していただいた。その人が、前夫人、好子さんであったことは、後で知った。ともかく、スタッフがすごく芝居を盛り上げようとしていた雰囲気を感じたが、これも後で考えると、「こまつ座」旗揚げ公演だったからだろう。その時観た芝居は、「頭痛肩こり樋口一葉」、出演者全員が女性である。上記のスタッフ全員が女性で揃えたというのも、最初からの「狙い」だったようだ。
学生時代には、少し芝居をかじっていたからか、井上ひさしのイメージとして、「何か俗っぽい」と勝手に思っていたが、その見方は一変した。樋口一葉(夏子)をはじめとする女性たち、そこには幽霊までも登場するのだが、その彼女たちの絡みは、よくできたドラマツルギーを感じた。それ以来、井上ひさしの戯曲は、レーゼドラマ(読む芝居)として、読むようになった。最近は、NHK衛星放送で、芝居の実況もするようになったので、録画して楽しんでいる。小林多喜二が登場する「組曲『虐殺』」もその一つである。多喜二の姉役を演じた高畑淳子さんの演技にも「うまいなあ」と感じた。

井上ひさし「太鼓たたいて笛ふいて」


ゲット価:380円

今年 4月から、西成医療生協機関紙「さわやか」の簡単な書評欄を担当している。ちょうど、いいネタがあったので、来月分としてストックすることにする。続きは、その文案である。

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